「日本人が言い間違えている英語」「日本人が言ってしまう文法は合っているけどネイティブは使わない英語」があるように、文法も正しく意味も通じるのに伝わらない日本語があります。
ずっと外国で暮らしていた外国人が日本語を学ぶ際には間違える事はあまりないですが、微妙に日本語も分かるけど幼少期を海外で過ごしていた・外国語中心の環境で過ごしていた帰国子女やハーフだからこそ間違えて使ってしまう言葉と、なぜそれが間違っているのか、言われた側はどう応えたらいいかをまとめました。
日本の社会や生活に慣れるうちに察しの良い人は使用を止めたりしますが、間違っていないだけになぜ思った反応と違うのか戸惑ったままの人もいると思います。
日本語の教科書にも載っていないし学校でも教えてくれないので対処が分からないままの人が多い、些細だけど後々影響が出るものです。
伝わらない日本語を気づかずに使った事があるかも
自分が伝えたかったことと違う反応がかえってくることへの戸惑いを20代前半までに経験すると友達との関係にも影響が出ることもあります。
凄く小さくても相手の反応に違和感を覚えた事はありませんか?
返ってくる反応を想像していたわけではないのに妙な対応をされたことはありませんか?
ただ明確に間違いでもなく誰もおかしいと気が付かないため
誰も答えが分からないままになったりすることもあるので
- これから日本に帰って来る
- 少しの間日本に滞在して学校や交流の場に出る予定がある
- 海外から移住して日本で生活する事になる
これに当てはまる子供~20代くらいの人や当てはまる人が身内にいる人、また帰国子女と知り合いになった人は知っておいて損はないです。
特に海外で生活していた時に日本のアニメや漫画、ドラマなどを通して日本語を学んで育った人が間違えやすい傾向にあります。
今回は交流初期に使いがちな伝わらない日本語を3つピックアップしました。
伝わらない日本語1「仲良くしてください」
アニメやドラマで、転校生が来る場面で
「今日からこの学校に通う○○さん、みんな仲良くしてくださいね」とか、
近所に同年代の子がいた時に
「ここに引っ越してきたの、仲良くしてあげてね」
という台詞を見聞きした事はありませんか?
これを挨拶に自分でも使うもの(特に複数人いる場所で使うもの)と思い込んで使ってしまう場合があります。
「仲良くしてください」「仲良くしたいです」
と言っている帰国子女は「よろしくね」以上でも以下でもない挨拶の言葉として使っています。
英語で言えば「Nice to meet you」や「Glad to be here today」みたいな挨拶と同じで「本日はよろしくお願いします」という皆に向けたフレンドリーな挨拶のつもりです。
これを聞いた日本人の反応は年齢や性別などにもよりますが
「当たり前だよ」「何言ってるの、もう」「仲良くするにきまってるじゃん」
これで気にせずお互い流す事が多いですが、帰国子女の人はこれに対して「なんだか妙だな」と思った事はありませんか?
齟齬の原因と対処
そしてこれを言われた日本人は「今だって仲良くしてるよ、まるで仲良くしてあげてないみたいじゃん」と感じ、傷ついたり怒ったりはしないものの茶化したような対応で修正に走る事が多いです。
自分から仲良くしてと言って、そう言われて嬉しいはずなのに何かボタンを掛け違えた気がすることがあります。
これは、帰国子女の人は決して弱弱しく「心細いし誰も相手してくれないから仲良くしてください」と下からお願いしているわけでも卑下てへりくだっているわけでもありません。
もちろん中にはとても繊細でそういう意味合いで告げる人もいるかもしれません。
そして何言ってるの仲良しだよという反応に対して笑顔を返します。
でもずっと後々まで、何であんな反応だったんだろう?と思う事もあり、大したことではないのにずっと心に残る事も。
どちらも間違っていないのに伝えたい内容として伝わっていないためです。
できれば帰国子女の人は「仲良くしてください」ではなく「よろしくね」を使い、
もしも仲良くしてくださいと言われた人は
「よろしくね」と返事をするか
「私も仲良くしたい」と嬉しい気持ちを伝えたり
さらに仲良くしたい場合の内容を具体的に伝える方が喜ばれます。
伝わらない日本語2「友達になってください」
こちらも一つ目の「仲良くしてください」と似ているのですが
「友達になってください」「あなたと友達になりたいです」
とクラスメートや知人に改めて伝える事があります。
これは貴方に興味があるからもっと仲良くなりたい、貴方の事をもっとよく知りたい「I want to get to know you better」の意味です。
今までが友達じゃなかったと言っているわけではなく、さらに仲良くしたいという友好の意思を伝えています。
例えそれまで単なるクラスメートで明確に友達と言うレベルに行って無かった場合でも、既に放課後遊んだ事がある相手にも使います。
これに対して返ってくるのが
「うちらもう友達じゃん」「何言ってるの、もう」
と完結した言い方だったり、流してしまう場合が多いです。
齟齬の原因と対処
日本人側からすると「もう友達なのに友達って思われてなかった?」とか「なんでわざわざそんな確認してくるの」と感じるかもしれません。
そしてこう返事されたらやっぱり笑って流しますが、「もう友達じゃん」と返されてしまうとそれ以上知る機会を失い結局仲良くなれない場合が割と多く、
帰国子女側はもっと知りたいと思って告げた言葉に対して「もう充分知り合ってる(これ以上は不要)」と返された気分になるからです。
これも友達と言う単語に対しての捉え方に微妙な差があるためなので、帰国子女は「もっと一緒に遊びたいから今度出かけよう」「あなたの事もっと知りたいから教えて」と言った方が驚かれるかもしれませんが意図は伝わりやすくなります。
そして言われた側は
「私ももっと仲良くなりたい」
「じゃあ今度あなたの好きだと言ってた○○を食べに行かない?」
とさらに仲良くなる、知っていく事に対して前向きに行動する言葉を言うとお互いにもっと分かりあいやすくなるはずです。
伝わらない日本語3「あなた(の○○な所)が好きです」
相手の素敵な所を見つけたら積極的に本人に伝える人が結構います。
「あなた(の考え方・思想)が好き」「あなたが(尊敬出来て)好き」
相手に対して自分が見つけた素敵な所を嬉しくて、そして本人にも知って欲しくてシェアしています。
なんだったらその考え方についてもっと知りたくて伝える事もあります。
ですが、これを言うと茶化されるか最悪の場合、気持ち悪がられます。
恋愛と言う意味ではなく人として尊重し素晴らしい点を伝えたいだけでも、日本ではあまり浸透していない文化のため恋愛感情を向けられたと間違われる事もあります。
照れ隠しで茶化す人もいるかもしれませんし、「はぁ?何言ってるの!」と変わった反応が来ることがあります。
齟齬の原因と対処
特にまだ日本語の語彙に自信が無い人や、
伝えたい気持ちが優先してしまった場合に具体的にどんなところが好きなのか、
日本語で説明できずに好きですとだけいいがちです。
そういう時は好きですではなく「素敵だと思います」「あなたのそういうところが、いいなと思う」の方が伝わり、相手も過剰に照れたり会話をとめたりせずにもっと知る事が出来るかもしれません。
また、言われた場合は反射的に
「いやいやそんなことないよ!」「え~」
と照れたり慌てて否定してしまいがちですが、
ただ通りすがりに褒めているのではなくあなたと言う人に対して思う事を伝えているので
「ありがとう」
「私もあなたの○○なところが好き」
と自分の意見を添えると会話が広がります。
自分ではそう思えないという場合も
「そんなことないよ」「全然だよ」ではなく
「私はまだまだこうだから足りないと思ってる」と何故そんな事ないと感じるかを伝えると相手も突っぱねられた印象を受けずに理解しやすいです。
褒める時の注意点
こちらは補足となりますが、帰国子女だけでなくハーフや外国人を褒める時は「生まれ持った容姿に関する内容」は絶対避けてください。
例えば日本人同士だと
「○○ちゃん頭小さいね」「○○さんは目が大きいね」と
自らが羨ましい、素敵だと思う部分をほめたりする事がありますが、
外国だと美醜の価値観が全く違う場合もある上に、
自分の努力や行いでそうなっているわけでない事を褒められても嬉しくない場合が多いです。
日本人は外見を褒めるといずれは理解しますし、怒ら
「それは嬉しくないから言わないで」と教えてくれる人もいますが少ないと思います。
もちろん本人が努力して手に入れた見た目や本人が気に入っていると公言している部分については褒めても大丈夫ですが
なるべく本人の意思や努力が働いている部分で素敵だと心から思った所を褒めましょう。
海外ドラマや映画で
「あなたの靴すてきね」「ありがとう、あなたのネイルもおしゃれだね」
と純粋に褒め合ったり、時にはバチバチに火花を散らしながら嫌味も添えて言い合ったりする事があります。
これも注目すると「本人の意思で選んだもの」を褒めています。
相手に注目し、相手の事を見ているよ、気にかけているよと存在を認める挨拶にもなるし、より知るきっかけにもなります。
褒められたら
褒められた場合も恥ずかしかったら「ありがとう」のみで充分ですが、
海外での会話に倣って
「ありがとう、セールで見つけたの」
「気に入ってる色だから嬉しい」
「今日のは自信が無いから恥ずかしいけどそう言ってもらえて自身が湧いた」
「今日はパッとしない日だったけどあなたのおかげで元気が出た」
と伝えたり、あなたも相手の気に入っている点を見つけたらそこを褒めたりしましょう。
褒め返すのは結構難しく感じるかもしれませんし、義理で返すなら言わない方がいいですが
相手をうらやんでではなく、素敵だなと思う部分を見つけたらどんどん伝えていきましょう。
帰国子女の伝わらない日本語まとめ
どれも通じないわけではないし、大して気にならない場合がほとんどです。
間違っていなくて気にならないからこそ使いがちで、
たった一言のやりとり交流が深まるのを無意識に阻んでしまう可能性があります。
社会に出てしまえばそれほど気になりませんが学生だったり団体で活動をしていくうえでは小さな気持ちのすれ違いが後で響くこともあります。
早いうちにすれ違いに気付き、お互いに気を付けることでより円滑にコミュニケーションをとり仲良くなっていけたら最高ですよね。
言った事あるな、言われた事あるなと言う人で似たような感じ方をした事があったら今後は違う言い回しをしてみてください。
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